ペンシルベニア大学の講義の修了証を取った。しかも家に篭もりながら。

興味本位でMOOCに参加したところ、悪くない成績をとって修了証を貰ったのでその体験レポートを書こうと思う。

そもそもMOOCとは

部屋から出ることも、お金を払うこともなしに、質の高い大学の講義を受けることができる仕組み。
著名な大学が講義をネット配信し、世界中の人が無料でそれを聴く。
教育界に革命が起こりそうな試みを、自分で体験しない手はない。

講義の進行の流れ、難易度、筆記問題について、料金体系や議論の場、個人的に学んだことを以下に書く。

講義に参加する

私が参加したのは、Courseraというサイト上でペンシルベニア大学が開講した、ゲーミフィケーションの講義
選んだ理由は無難そうだから。
初回だし、どうせ安いし、挑戦的な講義を受けるのは後にして、今回は初心者らしく簡単なのを選んだ。
この講義はCourseraのオススメコースとして取り上げられていて、
前提知識が特に不要で(英語はもちろん必要だけど)、
修了までの学習時間が比較的短めだったからうってつけだ。
またニュースでゲーマーが科学的発見を達成というのを見て、
ゲームの可能性にすごく興味を持ったのもきっかけになった。

進行の流れ

講義を決めたら、決められた日程に沿って講義ビデオを観て、〆切までに課題や試験をこなす。
前半のスケジュールはさほど厳しくない。
1週間に1度のアップデートで、1時間ほどの講義ビデオと小テストが追加される。

小テストは選択式で、回答を送信するとシステムにより即時に採点され、結果の詳細が返ってくる。
現実の大学では試験の採点結果を返してくれることは稀だから、これは良いことだ。
テスト等の回答期間は1週間ほど。
その間ならいつ取り組んでも良い。講義ビデオを観る時間も自由だ。
月曜でも日曜でも、朝でも深夜でも良い。
現実の大学と違い、寝坊したからといって絶望することはない。素晴らしい。

難易度

講義のレベルは、一般向けに調整されている印象を受ける。
非英語圏の受講者を想定してか、教授は意識的にハッキリ話しているし、難しい単語には補足が入る。
また英語字幕があるので、リスニング力が足りなくても何とかなる。
ビジネスや心理学に少し踏み込んだ程度の英語が理解できる人なら、修了できそうだ。
私は英語のみの講義を聴いた経験が少ないので始めは戸惑うこともあったが、何てことはない。
分からなかったら単語の意味をググり、聴き返せば良いのだ。巻き戻し機能とネット辞書さえあれば怖くない。
さらに再生スピードを調整できるので、難しい単語がたくさん出てきたら 3/4倍速、復習時は2倍速にすると便利だ。
ビデオとしては当たり前の機能とはいえ、これは学ぶにおいて抜群に効果的だ。現実の講義にないのが嘆かわしい。

有料サービス

講義の序盤が過ぎると、Courseraから「修了証明書を申し込んでみない?」と宣伝が来る。
見ると講義自体は無料だが、その修了を証明する手段は有料とのこと。
希望を言えば実際に修了してから申し込みたいところだが、あいにく講義の序盤しか申し込みを受け付けてくれない。
もしお金を支払って落第したら、返金はないものの次回で割引になるらしい。(時期によっては部分的な返金が可能。)
私の場合は修了できそうだと予想して申し込んだ。50ドル。
MOOCと言いながら無料でなくなったのは予定外だが、授業料と思えば安い。

筆記問題

講義の後半になるにつれ、そのレベルが上がる。
ある時は筆記問題、またある時は普段の2倍のビデオ量が来る。
筆記問題の採点方法は、ネットならではといった感じで面白い。
Courseraでは同僚評価方式をとっている。
つまり受講者である私が、ランダムに選ばれた5人の回答を採点する。
そして私の回答は、ランダムな5人の受講者の手で採点される。
他人の回答を見るのが学習のためになるのはもちろんだが、
採点と一緒に良い点・悪い点を書くことになっているので、アドバイスとしても参考になる。
欠点として採点は大雑把になるし、アドバイスは専門知識に基づいたものとはいえない。
それでも現実の大学に比べるとかなり良い。
そこではレポートを出してもフィードバックはほとんど無く、優とか可とか出るだけなのだから。

この講義では筆記問題が3回あった。
回答語数の上限はそれぞれ300, 500, 1500語。
単位は字じゃなくて語だから、ギリギリまで書こうと思ったらかなりの分量になる。
私は英語のライティングが不慣れなために、上限の半分も書かなかったが、点は悪くなかった。
なにせ分量は採点基準に入っていなかったし、題意さえ満たせば6〜8割は取れるようになっている。
いささか甘い気もするが、同僚評価の都合上、採点基準をシンプルにせざるを得なかったのだろう。

議論

講義ページには議論用のフォーラムが用意されている。
ちょっとした質問や意見、談笑、真面目な議論などがなされ、スレッド数は1,000を優に超える。
私は投稿をしなかったものの、覗くだけで多様な意見や知識を得れる。
また実際にゲーミフィケーションを導入したモバイルアプリを作ったと報告した人もいて、講義の有用性が分かる。
一方現実の大学では生徒同士の議論の時間はほとんどない。
せいぜい休憩時間にどこが分からなかったとか喋るだけで、踏み込んだ話には滅多にならないだろう。
受講者同士で意見を交わす場としてもネットのほうが優れている印象だ。

完了

講義は10週間続き、最後には期末試験がある。
これも選択問題で、小テストを少し難くした程度のものだった。
これが終わるまで、全ての課題に参加し、100点中70点以上を取れば、晴れて修了となる。
私は興味本位での参加だったが、83点を取って修了証明書をゲットした。

学んだこと

この講義で学んだことは、ゲーミフィケーションの定義、実例、心理、やり方、注意点などなど。
ビジネスや心理学と密接に関係していて、利用者やビジネスに応じたシステムを考案したり、
そもそも楽しさやモチベーションがどこから生まれるかを理解することで良いゲーミフィケーションができるとのこと。
私は現実の大学で(情報工学系ゆえに)ビジネスや心理学についてさっぱり学ばないから、視野が広がる感じがした。
ゲーム開発者が培ってきた楽しさのデザインを現実に活かせるという話には希望が湧くし、
英語能力もすごく伸びた。具体的にはTOEIC 690点代から760点代に成長した。
というわけで、得るものはかなり多かったように思う。

さてMOOCに参加してみると、この革新的な良さに気付いた。
これについてはまた後日、ブログに書くことにしよう。

 

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