哲学カフェの議題:暴力は絶対にいけないのか @VRChat

VRChat上で行われた哲学カフェに参加したので、議論された内容や考えたことをまとめます。

暴力が正当化されるケースはどのようなものがあるか。私達が暴力を嫌い、時に暴力を正当化する感情の起源は何か。子供への体罰の是非は。精神的な暴力については。時代が進めば暴力性は減るのか。といった話を下に書きます。

VRChat_1920x1080_2019-02-10_21-44-43.819VR哲学カフェに集まった人々

暴力が正当化されるケース

暴力は嫌だ。我々の多くはそう思っている。しかし法令によって暴力が正当化されることもある。警察は人に手錠をかけ、時には発砲する。刑務官は人を牢に入れ、死刑を執行する。日本が有事のときには自衛隊が敵兵を殺害する。それら暴力が正当化される根拠は法律であり、法律は我々国民が選挙を通して間接的に決める。つまり我々国民の感情が、時に暴力を正当化する。

 

暴力に対する感情の起源

我々の暴力に対する考え方は、生物学的な進化と文明の自然淘汰の結果である。ハイエナが群れを形成するように、いくつかの生物は進化の過程で社会的な機能を発達させた。人間もその一つである。人間が村を形成し始めたとき、村を維持するためには村の内部を平和に保ち、暴力を罰する必要があった。それができない村は滅んだ。一方で、村は外部からの侵略に備えて武力を有する必要もあった。それができない村は外の人間から侵略されて滅んだ。そうして生き残った人間の子孫が我々である。その結果として、我々は当時生き残った人間の特性を備えている。つまり、コミュニティ内部で起こる暴力に嫌悪感を覚える一方で、治安維持の名目で行われる暴力にはおおむね肯定的である。

子供への体罰の是非

子供への体罰はして良いものだろうか。ある子どもへの体罰が躾として有効にはたらくかどうかはケースによりけりで分からない。子供に痛みを与えることが問題をもたらすこともあるが、痛みが非行への防止に役立つこともないとは言わない。個々のケースは分からないものの、一般的には子供は暴力に対して不利な立場にある。子供は身体または精神に傷を負う可能性が高く、暴力的な親や学校のクラスから逃れることは難しく、自分が虐待を受けているかどうかの判断も難しく、子供が不当な暴力に対抗するすべは少ない。以上のことから子供への暴力はたとえ躾のためであっても慎重を期すべきであり、法制度で体罰に関して制限を課すべきではないか。

 

精神的な暴力

肉体的な暴力は法律で抑制されているが、それに比べると精神的な暴力は被害者にとって対処法が少なく、加害が十分に抑制されていない。例えばネットでの炎上のターゲットになった人は、反論しても焼け石に水で、訴訟の難易度は高く、ほとんど逃げるしか選択肢がない。これは暴力的である。他にも社会生活を送るうえで暴言を受けても法的に対処することは難しく、暴言を禁止する法律を作ることもまた難しい。ハゲであることを誇りに思う人もいるから、ハゲという言葉を法的に規制することはできないのだ。対処法としては、一つのコミュニティに依存せず、様々なコミュニティを渡り歩けるようになること。そのようなコミュニティをたくさん作ること。暴力的なコミュニティから遠ざかり、居心地の良いコミュニティに複数入ることで、その人は精神的にも平和でいられる。VRChatの人々もまた、平和をもたらすコミュニティを形成している。

 

時代が進めば暴力性は減る

人間の趣味や文化における暴力性は時代が進むに連れて減ってきている。飢えて人肉を食うことはめったになく、コロシアムで奴隷の殺し合いを見ることもなく、ギロチンの公開処刑に野次馬が集まることもない。現代の人々の持つ暴力への欲求はゲームや映画などで消化され、昔に比べると暴力の程度は低くなっている。もちろん現代でも暴力は残っている。ステーキのために牛を殺戮し、犯罪者を何年も牢に閉じ込め、いじめやパワハラは絶えない。時代が進めば、そうした暴力性も低くなっていくだろう。人工肉は今や研究室レベルでは生産されており、牛を殺す代わりに工場で肉が生産される時代が迫っている。社会が豊かになれば盗みを働く人が減る。精神医学が進めば、罪人への罰の代わりに治療的なアプローチが可能になるだろう。VRChatのように様々なコミュニティが生まれれば、いじめやパワハラの被害も軽減されるだろう。人類は暴力性の少ない方向へと時代を進めるだろう。そして眼前の暴力に嫌悪感を覚えるようにたまたま進化した人類は、平和になっていく社会を喜んで受け入れるだろう。

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